「ちび」に異変が現れ出したのは、私が小学校3・4年生の頃だった。

「ちび~!」
いつものように、そう呼びながら「ちび」駆け寄った。

すると、「ちび」はいつものように勢いよく立ち上がって飛び跳ねながら嬉しそうに吠えるわけではなく、ゆっくりと立ち上がり、小さく尾を振るだけだった。

そんな日々が続き、私は怖くなっていった。

それでも「ちび」は、私が近くと、何でもないように尾を振って笑顔を見せていた。

そんな「ちび」を見ているだけでも、辛くてたまらなかった。