すぐさま口々に「なんで⁈」って訊かれた。
まぁ、そらそんな反応されるやんな。
最近仲よくなった友美たちからしたら、めっちゃ急展開やもん。
ふたりがわーわーとつっこんでくる中で、ちえだけが沈黙を貫いている。
「あたしな、ずっと達郎のこと好きやった。でも、でもな、あかんねん」
「なにがダメなの?」
「……達郎のこと好きでいるん、辛い」
悲しそうな瞳を、向けられた。
みんななんて言ったらいいかわからんって顔してる。
ごめん、ごめんな。
こんなん言われたって困るよな。
「ただ、好きでいるだけで幸せやったはずやのに、それだけやったらもう嫌やって思って。
でも前に踏み出す勇気も、受け入れて貰える可能性もなんもないから」
「……そんなことであんちゃんは諦めちゃうの?」
そんな、こと。
ちえにしては低い声。言葉。
胸に刺さって、もうきっと取れへんわ。
うん……、うん。
人からしたらあたしの決断はアホなことにしか思われへんのかもしれんね。