◆
間違いだらけの好きやと思ってた。
幸せが余計に苦しかった。
でも、でももう大丈夫って、あたしは笑顔で言えるから。
「〜〜達郎! 大好きやで!」
そう言えば、
「おま、なに、はぁ⁈」
「達郎は?」
「……俺、も。
杏奈のことが好きだよバーカッ」
好きだよって返ってきて、
「バカちゃうわ」
「バカだよバカ! ほんとバカ!」
「うっわ腹立つ! アホ太郎!」
「バカこしあん!」
「……」
「……」
ぶはってふたりそろって吹き出したりする。
嬉しいな。
楽しいな。
最悪な始まりがこんな愛しい気持ちを連れてきてくれるなんて思ってもみなかった。
出会った頃より、ずっとずっと〝好き〟で溢れる今。
あたしらに間違いなんてひとつもない!
fin.