リボンをほどいてみると、そこにはキャンドルモチーフのネックレス。

しずく型のオレンジ色の小さな石。

その先にはろうに見立てた飾りもついている。



まさに、キャンドル・オレンジや。



「きれー……」



優しい色合いと、このワンピースのためにあるようなネックレスに瞳が潤む。

いそいそと取り出して、着けてみると思わず笑みが零れた。



「あ、でもあたしからまともなプレゼントあげてない!」

「そういえば」

「え、どうしよう」

「まぁ、その話は今度でいいよ」



今度。

……ああ、そっか。

いつ終わってもおかしくないって、そう怖がる必要はないんか。



関係がある限り、不変なんてないけど。

それでも今、あたしたちはもうニセモノやない。

それだけで、こんなにもあったかい気持ちになるんやな。



キャンドルのろうがじりじりゆっくりと溶けていくのを待つような恋やなくて。

その優しい光を抱き締めるような恋へと。

心は変わらず、形を変える。



ネックレスにはしゃぐあたしを満足げに見つめる達郎と目が合った。