「今日、達郎とちえと3人で帰ってたらアイツが忘れものしたって言い出して。
仕方がないから、学校に戻って来たんだ」
……ちょ、ちょい待って。
今からデート行くって人らに混ざってたん、アイツ?
え、それはいくらなんでも、空気読めてなさすぎちゃう?
しかも忘れもんとか!
あたし、忘れもんと縁がありすぎてほんま嫌やわ。
「そしたら杏奈を探してくれって頼むだけ頼んでアイツ走ってどっか行ってさー。
ちえとイルミネーションだけ見れたらいっかって話になって、つきあってるんだよ」
「そ、それは迷惑おかけしました。
……なぁ、ほな、あたし帰っていい?
もういい?
めっちゃ逃げたいねんけど」
タンタン、足踏み。
あたしの顔、きっと焦ってると思うんやけど、俊介は「まだ話は終わってないぞー」とあたしを引き止める。
ええいやめんか。
あたしはまだ死にたくないんや!