そっと机の中に忍ばせようとして、トン。

なにかに手が当たる。



「え?」



覗きこんで、目を見開いた。






細長い、箱。

クリスマスやのに、赤の包みは白に近いオレンジのリボンで留められている。






達郎はそんなイケメンちゃう。

口悪いし、暴力的やし、うそ吐きやし、最悪で。



でも、不器用な優しさとか、笑顔の可愛さとか、いっぱいええとこあるん、知ってる。





ずっと、知ってた。






そこに気づく女子が他にもおっただけや。



せやし、あいつが誰かからちゃんとしたプレゼント貰ってもおかしないねん。






もしかしたら、あたしのカードもこのプレゼントの子からやと思われるかもしれん。

それはめっちゃ悲しいことやけど、それでもあたしは、渡すって決めたから。



机の中で、カードと箱を並べて。

あたしはなにともなく、ただ祈るように瞳を閉じた。