「1点の小テスト。
『明日、杏奈に告白する』。
な、あんた誰より聞き覚えあるやろ」
「お前、」
「そう。
最初っから罰ゲームって知ってた」
罰ゲームでいい。
それでいい。
あたしは一体どんくらいそう考えて、自分を誤魔化してきたんやろう。
「あ、別に悪いことしたなーとか思わんでええよ?
だってあたしも、達郎と付き合ったん罰ゲームやったし」
「っ、」
うそ、うそ、うそ。
ちゃうよ、ほんまやけど、でもそんなんとちゃうねん。
好きやったから。
好きやったからやねんで。
浅く呼吸を繰り返して、大きく吸う。
さぁ、杏奈、……言って。
「だからな、もう別れよ」
そんで、罰ゲームやって、お互いそうやったって知ったんやから、もうあんた続ける意味ないやろ、と続けた。
な? と首を傾げて言うと、くしゃり。
達郎の顔が歪む。