屋上には先客が数組いた。
カップルと思われる男女だったり、女子グループに男子グループ。
そして私は・・・秋彦と二人で、ココに来た。
私が真崎に手紙を渡してから、真崎は私に忠実に、極力秋彦との接触を避けてくれた。
私の場合は、気を利かせた柚子乃が遠慮してくれただけで友達関係は続いてるけど、秋彦は現状をどう思っているんだろう?
突然、自分から離れていった真崎――
いや、突然でもないか・・・。
親友想いのイイ奴と解釈すれば、真崎は彼女が出来た秋彦に気を利かせて去って行った――
そんな構図が自然に出来上がっていてもおかしくない――よね?
おかげで私は、彼氏からライバルを離す事に成功したのだ。
・・・ちょっと卑怯かなって思わなくもないけど、真崎が秋彦を恋愛視してない以上、秋彦に望みはないし、何より真崎自身が私の願いを聞き届けてくれたんだから、何も問題はないよね・・・?