「そ・・・なんだ」
私の話を聞いた柚子乃は、苦い顔をした。
コメントに困っているのだろう。
そりゃそうだよね。
秋彦と付き合ってたのに、別れた途端に次は真崎なんだから・・・。
私が話したのはその事だけで、詳しい経緯は伏せておいた。
「なんか・・・知らない間に複雑な事になってたんだね・・・」
俯いたかと思うと、
「――んもぅ、ちょっとは相談しろって!寂しいじゃん」
肘で脇腹をつつかれた。
茶化すように笑った柚子乃の顔は、やっぱり寂しそうで、なんか悪い事をした気分だった。