「おはよぉ、みのりん」
「おはよー、ゆずのん」
親友の柚子乃に挨拶をしてから、チラリと教室の一点を確認する。
冬見君、もう来てる。
「秋彦、これサンキュな」
そう言って後ろの席を振り返ったのは、真崎潤――私の恋のライバルで、冬見君の想い人だ。
二人は席が前後だし、常に一緒に居るイメージ。
昨日だって私が誘わなければ、いつも通り二人で帰ってたに違いない。
それくらい仲がイイのだ。