私はそっと真崎の背中に手を伸ばした。
真崎の体がビクリと強張って――
それから私を強く抱き締め返した。

悪い事をしている気分だった。
これはイケナイ事――
秋彦を裏切る行為。
真崎の気持ちを利用する行為。

私は真崎を好きじゃないのに――

でも、だからこそ知れるハズ。
秋彦がどんな気持ちで私と居たか――。