嫌な予感がした私は、秋彦の様子を窺った。
放課後、部活動には入ってないのに、帰ろうとしない彼――・・・。
自分の席に座ったまま、ずっと携帯をいじっている・・・。
まるでみんなが教室から去るのを待っているかのよう。
おかしいのは秋彦だけではなかった。
真崎も席を立たない――・・・。
まるで二人して、みんなが帰るのを待っているかのよう。

秋彦と真崎以外の全員が教室から出たのを確認して、私はドアの隙間から中を覗いた。
やはり教室には二人きり。
二人で示し合わせて、この時を待っていたのだろう。