性格の良さか、他のバイト仲間には素直に受け入れられたけど、はっきり言って見た目は嫌いなタイプだった。

軽そうな笑顔に、
調子のついた口振り。

おまけにまだ二十歳のくせして、なぜか寅さん気取り。



「俺、全国を旅してるんですよ。お金貯まったら、また南の方に移動するんです。人との出会いって最高もんですからね」



あなたは何かの前線ですか。

とにかく地に足のついていないような奴とは、どうも関わる気になれなかった。



私が興味なさ気に横を向いてる間にも、ヒロミは仲間達にどんどん馴染んでいく。



どうでもよかった。

本当に、どんな人が入ろうと私には関係なかった。



ただ、一つだけ気になることがあったから……。



この人は、どうしてあれに乗ってるんだろう。