どうしてそんなことを言ったのか、自分でもよくわからなかった。

どこかであれに乗る人に悪い人はいないと、そう思いたかったのかもしれない。

ヒロミを、悪い人だと思いたくない自分がいたのかもしれない。



「い、いいよ!乗っていいよ!
あ、じゃ、じゃあさ。今度のバイト休みの日……海、行こうか」



少し照れながら、
ゆっくり私の目を見た。

必死な気持ちが伝わってくる。



どうしてだろう。

不思議と気持ちが、安らいだ。



「海……行く?」



クスッ



「あ、笑った……」



そう言われて、
思わず口に手を当てた。




私……笑った?