「ふざけないでっ!」



一瞬にして店内が静まり返る。

ヒロミが囁いて、私の手の平がヒロミの頬を打つまでには、多分一秒もなかっただろう。



許せなかった。

こんな人、
やっぱり最低だと思った。



また、呼吸が苦しくなる。

吐き気がして、
目の前が……暗くなる。




もう……生きてるのが嫌だ。








遥香……



気が付くとそこは、事務所の隅にあるソファの上。

視線が送られてくる先には、ヒロミがいた。



「ホントにごめん!
……できれば許してもらいたいんだけど。すぐには無理かもしれないけど、俺、努力するから。あっ、…って言っても何を努力するんだって話だよね。えっと……とにかくごめん。…あの……」


「……あれ、乗りたい」


「えっ……?」


「SR、乗せて欲しい」