「歩……戻って来てよぉっっ………!!」


泣き叫ぶ彼女を、慰める人は誰もいない。


私はただぼんやりと自分の席に座っているだけ…。


「歩うううぅぅ!!」


嗚呼、もううるさいな……というのが私の本心。


折乃さんをいじめていたくせに、折乃さんが入院したときは、平気だったくせに……。


自分の彼氏が死ぬと、こうだ。


なんともいえない苛立ちで、私はいっぱいいっぱいだった。


それでも、何故だろう、彼女を怒鳴りつけるような、そんな気は起こらなかった。