お葬式が終わって三日経っても、戸崎さんはずっと泣いてばかりいた。


学校には来るのだが、どうしても伊藤君の席を見て、泣いてしまうのである。


「どうして、なんで歩が……歩は悪くないのに……」


と、決まったように言った。


どこが悪くないのだろうか……かなり悪いことをしているではないか。


クラスの皆が、そう思ったが、皆黙っていた。


「歩っ……歩ぅ………」


彼女の泣き声が、ただ教室に響いていた。


他のクラスメイト達は、気まずい空気に耐えられず、他の教室へ行ってしまった。


教室にいるのは、私と戸崎さんだけ。


五十嵐さんは、ずっと学校を休んだままだ。