すると、無言で伊藤君が私…いや、折乃さんを殴った。


「きゃあ!」


とてつもなく痛い。


かなり痛い。


口の中に、鉄の味……すなわち、血の味が広がってゆくのがわかる。


夢だとわかっているのに、やたらとその感触はリアルに伝わってきた。


「大人しくしてねぇ~、折乃ちゃん」

「ひっ……」


一体、何をする気なの……?