「じゃあ、出るのはきっと簡単ね。私が亜実の意識から出ればいいのだから」

「や…めて…」

「え……?」


亜実は私の服の袖を引っ張って、言った。


「行かないで!
私を一人ぼっちにしないで!」


それは、亜実の口からは今まで聞いたこともないような大きな叫びだった。


「亜実…」

「愛がいなくなったら、私、また一人ぼっちになっちゃう!」