私は、斉藤さんに話しかけた。


「斉藤さん、ちょっといいかな?」

「ん~?何~?」


どうやら、斉藤さんは表の顔のままらしい。


斉藤さんは、表裏の激しい人だ。


普段は、親切で、繊細で、丁寧で、清潔で、優しく、温厚な、そんな生徒を装っている。


裏の顔はとてつもなく酷いらしいが。


「五十嵐さんが、どこにいるか知らない?」

「ともちゃんのこと?ともちゃんなら、確か図書室にいるよ~」

「ありがとう!」


私は一目散に図書室へ行く。