あんな、いじめなんていう酷いことをする人でも、ちゃんと愛されていたんだなって、ちょっと失礼なことを思ってしまった。


でも、私はそんなこと、言える立場ではない。


私だって、いじめられている折乃さんに対して、何もしてあげられなかった。


いじめを止めることも、彼女を励ますこともできなかった。


そんな自分も、折乃さんをいじめていた女子達と同じようなものだ。


私は、制服のポケットにたまたま入っていた飴を、稲穂さんが殺された現場だと思われる公園にそっと置いた。