「なに、かおりん、目とかつぶっちゃって・・・」
「だって・・・」
「俺を誰だと思ってんの?そんな突然キスとかするようなバカじゃねーよ」
いたずらっ子みたいにともプーが笑う。
・・・ムカつく。
「かおりんのことは好きだけどね」
「な・・・」
「ま、ほら、大事な恋愛はゆっくり進めなさいって言うじゃん?だから、俺は焦らない」
ひらひらっと手を振ると、またともプーはニカッと笑った。
そして、じゃーねーなんて言いながら、階段を降りていく。
ムカつくなー、ったく。
唇に、そっと触れてみる。
ここに・・・ともプーの唇が重なってたら・・・いったいどんな気分になってただろう?
考えるだけで、頬が赤らんだ。
もうたぶん・・・決定。
私は・・・超絶キスが好きだ。
☆End☆
翌日の放課後・・・
特に実行委員の仕事もないし、すぐに帰れることになった。
よかったよかった。
と、ポケットの中で振動音がした。
さっき、友達にメールして、そのままポケットに突っ込んでいたスマホだ。
返信来たかな、と画面を見ると・・・
「と、藤堂 雅人ぉ!?」
思わず声が上がってしまった。
周りの生徒たちが、なんだ?みたいな感じで振り返る。
慌てて階段を駆け下り、踊り場に立った。
藤堂 雅人。
同級生だ。
バレー部のエースアタッカー。
お調子者。
バカ。
女たらし。
アホ。
記述するとしたらこのくらいだろうか。
特に接点はない・・・はずだ。
まぁ、誰彼かまわず手を出すアホだから、ちょっとくらいしゃべったことはあるけど。
その流れでメアドも交換したが・・・ずいぶん前のことだ。
「なんで・・・?」
『今日ヒマ?俺の家おいでよ』
・・・突然、なんのお誘いかと思ったら。