「え、えっと、つまりだな。その高校…桜花高校の理事長が、大樹 ~Daiki~ なんだよ。」

『へぇ。大樹ってだいちゃん?』


あのだいちゃんが、理事長なんて、

出世したなぁ。


「あぁ、で、大樹に柑奈が高校に行ってないってことを言ったら、ぜひ桜花に…って言われてな。大樹の頼みなんだよ。頼むわ…。」


珍しく、真面目なお父さんの口調。

これは、仕方ないかなぁ…。


『あぁーそういうことなら。まぁ、どうにかなると思うし…お母さんにも行きた…生きたいって言っちゃったし。』


「柑奈ー!恩に着る!!」


『……殴るよ?』


抱きついてきそうなお父さんを止め

朝食と一緒に出たココアを飲む。

ココアはもう冷え始めていた。