驚いて、伊月兄を見ると

髪を抑えながら、真っ直ぐと

凛とした表情でその先の空を見ていた。



『…私もそんな気はしてた。伊月兄が言うなら、きっと本当に、起きるね。』


不安だ。何が起こるかわからない。



そんな不安を吹き飛ばすように

伊月兄は、晴れやかな笑顔を見せた。



「大丈夫。何が起きても、柑奈は大丈夫だよ。今の柑奈なら、きっと乗り越えられる。」


『ありがとう、伊月兄。』



そうだ。私はもう大丈夫。

伊月兄が、大地が、みんながいるから。

そうだよね?みんな…。