私が泣き止むまで、伊月兄はずっと

私を抱きしめ頭を撫でてくれてた。


「泣き止んだか。」


伊月兄は、昔から柑奈の涙は苦手なんだよな。とつぶやき、私を見た。



『伊月兄…ごめんね……。』

「ん?なにがだよ。」


『だから……あのときの…。』


そこまで言ってまた涙目になる私を見て

伊月兄は、ため息をつく。


「…柑奈。お前、まだそんなこと言ってんの?」

『だ、だって!伊月兄がまだ寝たきりなのも、清瀧辞めることになったのも、全部、私のせいじゃん!!私がいなければあんなことには…』


「っざけんな!!!」


突然怒鳴った伊月兄に目を見開く。