俺はメジャーを持ってきて、採寸を始める。
「じっとしてて」
メジャーが冷たいのか触れるたびに、彼女の体がピクリとかすかに震える。
「なぁ名前は?」
「………」
「ないか。まぁ、“あんなとこ”にいたしな」
腹囲を図りながら、話かける。
「んー。そうだな~。じゃあ、お前の名前は……ヒカリにする!」
俺は彼女に今日一番の笑顔を向けた。
すると、上から見下げる彼女は目をまんまるにする。
ちょっとだけ、彼女の心が垣間見れた気がした。
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