山崎の部屋へ戻ると、由紀は天井を見上げた。




「山崎さん…仕事熱心なのは良いことですが、俺は逃げるつもりも裏切るつもりもありませんよ。」


四六時中監視されるのは流石に疲れる。



少しして、天井板がずれ山崎が綺麗に着地をする。



「そんな言葉、信用できるわけ無いだろう。」




無表情の山崎。



「一日中視線感じるってすごく疲れるってこと、知らないのですか?」



「そんな事、俺の知ったことではない。」


即答の切り返し。
やはり、俺への態度は冷たい。




「でも、監視とは本来対象にバレないようにするものです。…気付かれてたら監視の意味はあるのですか?」



笑顔で敬語。
これが俺の仕事の最低事項。




山崎は端正な顔を歪め、立ち上がる。



「ついて来い。副長がお呼びだ。」