「……だれ?」









たった今、この瞬間から、あたしの中のジンは、姿を消した。
消えた…ことになった。

自分でもなんでこんなことしてるのかよくわからない。

頭を打って、本当にどこかおかしくなったのかもしれない。

ジンの目が見開かれるのを見つめながら、あたしはそんな事を考えてた。


1番大好きなあなたの気を、もう一度引き付けたくて。

この時のあたしは、そんな軽い気持ちだった。

この先のことなんて何も知らずに。