覚悟を決めて目を開いた。



「…アツコ、あたし…」

「…みほ…?わかる?!アツコだよ!?」

「うん、わかるよ。ずっとついててくれたの?」

「そーだよ、心配したんだからね!体、まだ痛い?」

「少し…でも大丈夫だよ」


1番最初にアツコの名前を呼んだ。

ホッとしたような泣きそうな表情にあたしも安心すると、アツコは先生を呼ぶと言って病室を出ていった。

いつも大人なアツコが、さっきのジンと同じように病院の廊下をバタバタと走っていく音がして少しおかしかった。


「ミホ」

視線をずらすと、ジンの眉間にシワの寄ったなんとも言えない顔が目に入る。

ああ、そういえば。
こんな風にまっすぐ目を見たのも、すごく久しぶりだ。