そこでは紅茶色の髪を日差しにキラキラさせながら、 アツコが無理な体勢で寝息をたてていた。

ここに運ばれてからどのくらいの時間が経っているのかは見当がつかないけど、もしかしてずっとついていてくれたのかな。

「…ごめんね…」


ありがとう。
いつも迷惑ばっかりかけてるのに見捨てないでいてくれて。


小さく呟くと薬かなにかのせいなのか再び瞼が重くなったので、睡魔に逆らうことなくもう一度眠ることにした。





***





次に目が覚めたのは、バタバタと廊下を駆けるすごい音が頭に響いたから。

そして、この病室のドアが乱暴に開かれてその音の主が息をみだしながら入ってきたようだ。

「高瀬…!」

だれだろうと不思議に思って目を開けようとしたけど、アツコが口にしたその名前にあたしは起きるのをやめた。