目が覚めたら、ベッドの上にいた。

わずかに開いた窓からは気持ちの良い風が細く吹き抜けて、カーテンをなびかせてからあたしの頬をなでる。


真っ白で四角い部屋は独特の匂いがする。

ぼつん、と。
ひとり。

そういえば、なんだか全身が痛い。
鉄のように重い体は動かす気にさえならない。

天井を見つめたまま、ぼんやりとした頭で記憶を辿る。
微かに思い出されるのは、眩しい車のライトと、耳をつくクラクションの音。

…あのまま、ひかれたのかなあ。

視線だけで腕を見ると、包帯が幾重にも重なり巻き付けられていた。
自分で言うのもなんだけど、すごく痛々しい。

しばらく眺めたあと、視線をふとベッドの横にあるソファーにすべらせる。