「…詩依って、ハーフ?」
お互いにシャワーを浴びてから、一緒にベッドに入った。
左側に詩依が居て、手を繋いでみると握り返してくれた。…何やってんだ、俺。いろんな意味で。
「クオーターだよ。お父さんがハーフ」
詩依はもう泣いてもいなかったけど、いつもみたいに綺麗に笑ってもいなかった。
これが本来の表情なんだろうな、とぼんやり思う。
「ふーん…」
「――眠ってもいい…?」
小さな声で、詩依が呟く。
「うん。手、」
「繋いでて」
答えを先回りされてしまった。
「…ほんと、なんでもわかるよな」
「ん…」
囁くように頷いて、ほどなくして小さな寝息が聞こえてきた。
安心してくれているのなら何よりだけど、俺はさすがに眠れなかった。
それでも数時間後には疲れていたのかすっかりと眠ってしまっていて、起きたとき隣にいる詩依としっかり目があってしまって相当驚いた。
「お、はよう」
どもりつつ言うと、詩依は笑った。
「ん、おはよう」
手はまだ繋いだままで、俺らしくもなく妙に照れくさかった。