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次の日、私の気持ちを反映してかどんよりとした曇り空の朝。
もっとも、これはかなり控えめな表現で、実際は今日の天気を上回る暗い気持ちと最悪の体調に私はふらふらしていた。
保健室の先生の忠告は手遅れだったらしい。すっかり昼夜逆転していた私は、夕食のラーメンを食べお風呂に入っても睡魔が訪れず、明け方近くまでネットをしてしまった。
睡眠数時間でお父さんに叩き起こされる。
無理矢理介護タクシーに乗せられる。
車は郊外にある精神科の病院に到着する。
一連の動きの中、親子の会話はほぼ無く、ここに来た理由さえ教えられていない。
連れてこられた病院に足を踏み入れると、エアコンの働きにより下げられた室温とは別の理由で、そこは何かうすら寒い空気が流れていた。
「ねえ、お父さん。
今日は、ここの患者さんをどこかに送るの?」
と、初めて私は尋ねてみた。
数人の患者さんが長椅子に座っている異様に静かな外来。そこを横切りながら並んで歩くお父さんはだるそうに答えた。
「いや、そうじゃなくて。
今日、搬送する患者さんに看護師さん付き添ってもらわなきゃなんないんだ。
で、その看護師さん、次の仕事の事前調査でこの病院にいるから、迎えに来て欲しいって言われてな」
「ふーん」
『ふー』の途中で現れたあくびをかみ殺すとまぶたに涙がにじみ、私は指でぬぐった。
眠い……だるい……
しかも、なぜだか最悪の一日になる予感までする。