カリス姫と呼ばれる私。その入室を聞きつけ、10数人だった入国者が30人…40人とみるみる増えていく。


SNSの拡散力には毎回驚かされるな。


みんなの好意に応えようと、私は素早くパソコンのキーボードを叩いた。


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カリス ID KARISU218218
<ただいまー
 そう 今日終業式
 動画あっぷは当分できないかも

>マジ?
 なんで?

カリス
<明日からパパの会社手伝い

>カリス姫のお父さんって社長?

>お父さん、なにやってるの?

>お嬢様 お嬢様 オジョーサマWW

カリス
<運送関係? みたいな

>えらいね お父さんのお手伝い

>冗談じゃない
 俺のモチベーションどうしてくれる
 カリス姫の動画楽しみにしてたのに
 仕事やる気おきね

カリス
<ゴメンね
 時間みつけて出来るだけガンバル
 ブログ鬼更新もする

ナイト
>カリス 無理しなくていいんだよ

>キャー キターーー
 ナイトさまーーーー

>ナイト 久しぶりWWWWW

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突然の主役、このサイトの管理人登場に、サイトの国民は一気に色めきたった。


かくゆう私も、思い人の登場に心拍数が一気に跳ね上がる。

パソコンの画面に顔を近づけ、無意識に手に持つスナック菓子を口にすると、菓子のカスがパラパラとキーボードの上に落ちる。フッと息で吹き飛ばすと、食べカス達は宙に舞った。