そのままベットの上にゴロンと寝そべり、天井を見つめながら考えた。



いつからだろう。
素顔を隠し、息をひそめて過ごす技が身についたのは。


そう、あれは中学2年生。

仲の良い5人グループ。

きっかけは、友人の1人がアイドルの悪口を言ったこと。
いや、あれは悪口だったのかな。ふと、頭に浮かんだ感情を言葉にしただけだったのかも。
けれども、その瞬間、彼女はそのグループの中で他人以下の人間になった。

あんなに、仲良しだったのに。なんでも言い合える仲間だと信じていたのに。


そんな光景を幾度か目(マ)の当たりにした。そして、私はリアルな人間関係に臆病になり、心を開けなくなってしまった。それでも、他人の目が気になり、独りでかわいそうと思われるのが怖くて後をくっついていた。


その結果がこれだ。


息をひそめすぎて、上手に呼吸もできない。


友人だと断言できない人間関係なんてこっちからサヨナラして、好きな道を独り帰ればいいのに。


本当に淋しいのは独りでいることじゃなくて、たくさんの人に囲まれながら存在を認めてもらえないことなんだと、実体験が教えている。事実、こうして独りで部屋にいる方が淋しくなんかない。


だって、私にはたくさんの仲間が……


私は机に置かれたパソコンに視線を移した。



そう、ネットの中にいれば、私は孤独とは無縁なお姫様。みんなが私を待っているし、いつでも歓迎してくれる。


ゆっくりと目を閉じると、再び睡魔が襲ってきた。



なんで、独りでも平気って思えないんだろう。そう思えたら、もっと楽なのかもしれないのに……