私の嘘に、驚いた顔する面々。
なんだ、そんなにおかしいのか。
そりゃ嘘だけどさ。
「なっちゃん、彼氏いたの?」
「え?いなあああいるよ」
危ない。素でいないって言いそうになっちゃった。
「棗ちゃん、本当なんですか?」
疑ってる。疑ってるよ、倖さんが。
でも、ここで嘘でしたって言ったら間違いなく“いいところ”に連れてかれる。
そんな訳分かんないとこには行きたくないし。