修人は妖艶に笑って言った。
「いいところだ」
嫌な予感しかしないその響き。
絶対裏がある。
「行ってらっしゃい。私は教室に戻る」
「何言ってるんですか。あなたも来るんですよ」
そんな本当に驚いた顔されたって、行きたくないの。
「私、山本君に用があるから」
「誰だ」
少し低くなった修人の声。
山本君って言ったばっかりなのに。
耳悪いのか、この人。