だから、破壊衝動にどうしようもなくかられた。
それでも理性を保っていられたのは、修人の手を思い出したから。
ここで暴れては、狼嵐にも、鬼龍の奴らにもバレる。
「すみませんでした」
突然恭しく頭を下げて謝る先生。
「俺は、お嬢が苦しんでいるのを知っておきながら揺さぶりをかけました。俺は、お嬢に、少しでも和らいで欲しくて、」
「……いいんです」
先生の、言葉を遮って紡いだ諦め。