修人が私の心の準備も待たずに扉を開ける。
「あ、来た」
蒼が回転椅子に座って、クルクルと回りながらこちらに笑いかける。
躊躇いがちに中に入れば、ツンとした薬の匂いが鼻につく。
肝心の先生は、倖に手当てしてもらっていて、時々痛みに眉をしかめる。
驚いたのは、倖が先生を存外雑に手当てしていたからで。
小言を言いながらも、しっかりとこなす。