悔やんでも、無意味だと言うように、風が吹き抜ける。
血の薫りが、鼻腔を刺激する。
大嫌いなにおい。
馴染みのある、懐かしい匂いだとも思う。
ごめんなさい。
その言葉だけでは片づけられないことをしてしまった。
私は、どうやっても傷つけ、罪を重ね続けることしかできない。
思い知ったとは名ばかり―知っていたから。
なんで、こんなことしかできないの?
頬から温かいものが流れ落ちる。
涙が、雫となって床を濡らしていく。