廊下は珍しく誰もいなく、代わりに各教室内は五月蠅すぎるくらい五月蠅い。
先生は、壁に背を預けて悠々と長い脚を組んで。
それが嫌味にならないのは、似合いすぎているからだろう。
待たせてしまったコトに、若干の罪悪感を抱えながら近寄る。
「蒼は大丈夫でしたか?」
来て早々に蒼の心配をされ、こくりと頷く。
大丈夫ではないが。
なんか文句言っていたが。
そこら辺はまぁ省いてもなんら問題はないからいいだろう。
「さっきはすみません。手、痛くなかったですか?」