「も、もうっ」

「あははは~っ、
いいと思うよ、2人!」

「…そうかなあ?」



さっきとは反対に
急におとなしくなった。
下に転がっていた石を蹴りながら
少しうつむいて歩く莉子。


「莉子?」

「…越沢くんって
みんなと仲いいじゃん?」

「あー、うん」

「だから、あたしだけ特別、
とかないと思うよ」

「え、そうかな?」

「うん、絶対ないよ」


肩の線が落ちている。
あたしはそんなことないと思うけどな。
莉子といる越沢くん、
本当に楽しそうだもん。


「でもね、あたし頑張る」

「うん、そうだよ」

「だから舞も頑張ってね?」

「え、あ、うん」


クスクスと笑う莉子。
そっか、2人一緒なら
もっと頑張れるかな。


「よーし、がんばるぞー!」


学校にもう少しでつく所で
いきなり莉子が
ガッツポーズをして叫んだ。


いろんな人に見られたのは
言うまでもない。