2つ目の駅で
隣に座ってるお姉さんが降りると
すぐに慧太くんが座った。
「は~、きついな」
「う、うん」
「久遠さんも、
毎朝これに乗るんだよね?」
「あ、うん」
「……嫌だ………」
「え…?」
慧太くんがなにか
小さくつぶやいた。
何を言ったのか聞き取れなくて
あたしは聞き返した。
「いや、なんでもない」
笑顔になって
話をそらされた。
きになる、けど…。
めんどくさい女だと思われても嫌だ。
満員電車は、いつも静かだ。
みんなボーっと揺られているか、
スマホをみている。
あたしの高校の最寄り駅につくと、
慧太くんもなぜが席を立った。
そしてあたしを前にして
ドアの近くへと歩いた。
「…?」
「心配だから」
「へ…?」
まっすぐ前をみてそういった慧太くん。
電車がつくと、
じゃあな、そういって
軽く手をあげた。
コクンとうなづくと
あたしは改札口に向かった。