「あ、来た来た、
おっけー、登録完了!」
「あり、がとう」
「いえいえ」
それからあたしたちは、
電車が来るまで
2人で話をしていた。
とはいっても、
あたしは恥ずかしくて
慧太くんの話を聞くばかり。
「あ、電車来た」
あぁ、あたし苦しいよ…。
毎朝こんな満員電車に乗るなんて…。
前の人に続いて
電車に乗ると、
もういろんな人でパンパン。
「久遠さん」
「へ…」
名前を呼ばれて腕を引っ張られて
あたしは勢いで
なにかに座れた。
「ここ、座ってて」
「え…、いいよ、そんなの!」
「いいから」
どうやら空いている席に
慧太くんが座らせてくれたみたい。
隣は、大学生っぽいお姉さん。
そして、あたしをかばうようにして
あたしの前に立つ慧太くん。
…ねぇ、ずるいよ、慧太くん。
どこまで、かっこいいの?