しばらくしてからだったーー
あたしが水道でいつも持っている薬を飲み終わった時。
彼、ーー吉谷君が帰ってきた。
「お前、有村だったよな?
俺と一緒だったぜ‼︎」
ニコッと笑う吉谷君。
「ほんとですか?
じゃあ、これからよろしくです」
「おまっ…なんで敬語なの?
俺ら同クラだし‼︎」
綺麗な茶色の、栗色のような髪が、
太陽の光と反射している。
儚く、消えちゃうんじゃないかって、
そう思ったけど、消えなくて。
確かに、吉谷 瞬君はそこに、
目の前にいる。
「そう、だね。
よろしくね」
上手くいかないと思う。
友達が少ない分、笑い方がわからない。
それでも、
「よろしくな‼︎」
屈託無く笑う彼に、
無意識に胸は高鳴っていたーー