えっ…… 少し戸惑った。 でも、甘えるわけにもいかず、 首をまた横に振った。 彼は今度はあたしを無理やり背中に乗せ 立ち上がって、走り出した。 ちょっ…苦しい…… でも、言えなかった。 咳がまだ止まらない。 あたしの頭は苦しい思いで一杯だった。 ようやく人混みから抜けると、 彼は急に歩き出した。