いったぁ…

一人呟いてみる。

……あれ、

なっ、んか…

息、がっ………?


思わず口を抑える。

ゴホッ、っ…

ヤバイ、目立つ。

やだ、逃げたい……


「…おい」


……透き通るような、

綺麗な声が降ってきた。

「大丈夫か?」

あたしと目線を合わせるように座り込む男の子。

辛うじて顔を上げるけど、苦しい。

立ちたいのに、…立てない。

あたしは思わず首を横に振った。

すると、彼はあたしに背を向け、

「ほら、乗れ」

そう言った。