花火の音が聞こえる中、
あたしたちは付き合うことにした。
彼氏がよした…瞬ってことは、
なんかあたしには勿体なさすぎる。
あたしなんかより、
いい人なんてたくさんいるのに。
しかも病気なのに。
あたしなんかでいいのかわかんなくて。
でも今こうして、
花火大会を共にして、
隣で心から笑う瞬を見ることができる。
これだけで、あたしは十分。
夢ならば、覚めないで欲しい。
今だけ、都合のいい夢でいいから…
あたしもこうして、
瞬の隣で笑いたい。
ーー時間が過ぎた。
花火大会も終わりを告げる頃。
あたしたちも帰ることにした。
送って行く、と言われ、
いいよ、遠くなるでしょ?と答えたら、
少しでも利奈と一緒がいい、って。
そんな言葉にドキッてして。
瞬は平然としてて、ズルイ。
瞬に負担かけないかな…
あたしなんかでいいのかな…
そんな不安をよそに、
手を引っ張られる。