待ち合わせのコンビニについた。

携帯で時間を確認する。

6時15分、か。

早く着き過ぎちゃった。

どうしよう。

そう思っていたら、



ーー「有村…?」



久しぶりに聞く、声。

透き通るような、あの透明な声は、

いつまでも変わらずにあった。

姿なんか見なくてもわかる。

吉谷君、だ。

「吉谷君…」

「早いな、6時半だよ?待ち合わせ」

「遅くなるよりいいでしょ?」

「…よかったぁ」

…どういう意味だろう?

「有村の事待たせたくなくてさ。
俺から誘ったわけだし。

とか、言ってるけど…」

なぜか吉谷君は言いかけて、

後ろを向いた。

「ほんとは、

楽しみで早く着き過ぎただけだけど」

なんて、恥ずかしい台詞を言うから、

思わず顔が赤くなった。

これじゃ、まるで…

まるで、

好きみたい、じゃんか…。