どうしよう、
思わず頷いてしまった。
吉谷君はニコッと笑って、
ありがと、また連絡する
そう言って、教室から出て行った。
あたし…
一緒に行くの?
吉谷君と?
持ってるスケッチブックが、
吉谷君の机だけを捉えてて。
「吉谷君、」
気付いたら、そう呟いていた。
あたしは、この気持ちを
隠し切らないといけなくて。
あたしは、この気持ちを、
消さなきゃいけなくて。
あたしは、この気持ちを、
加速させることしか…できなくて。
あたしは、どうすればいい?
モノクロの机が、
少しだけ、
ほんの少しだけ、
熱を帯びているように、見えたーー